天竜の杉林や桧林は、日本三大美林のひとつです。
その昔、天竜川はたびたび氾濫し、地域の人々を困らせていましたが、明治時代に金原明善翁が私財を投じ、上流に大規模な造林を行い治水に努めました。これが現在の天竜林業のはじまりです。その後、山職人の手により何十年もの年月をかけて手入れし育てられました。
森づくりは、苗木づくりから始まります。土を耕し、スギやヒノキの種をまきます。苗ができるまで2年。次に、苗木を植えやすいように、荒れた山をきれいに整理し、ようやく苗畑で育てた苗木を植えるという、大変手間のかかる作業を行います。明善翁も、作業員の人たちと一緒に山小屋で暮らし、率先して苗木を担ぎ、急斜面に一本一本植えていったと伝えられています。
手入れの行き届いた林の木々は、赤身(あかみ)と呼ばれる木の中心にある良質材が非常に多く、素晴らしい材となっております。
また、天竜材は他の産地と比べて粘りがあるため、強度が高く、加工しやすいという特徴があります。
天竜・無垢の木・ひのきの家 静岡県家づくり浜松協同組合では、地産地消の観点から、天竜材にこだわり、家作りを行います。
じっくりと育てられた地元の良質材を私たちが使用することで、次の世代へとつないで行くのです。
そして、浜松地域で家を建てるなら、同じ気候・風土で育った天竜の木を、地元で育った大工棟梁が加工することで最も良い家作りに繋がると私達は考えます。
通常なら高価な材である桧ですが、この浜松地域では輸送コストなども抑えることができるため、比較的安価に使用することができます。これも地産地消ならではの事です。
天竜の森は、山の表土を守り、山崩れを抑え、緑のダムとして渇水や洪水をも防いでくれます
森はCO2を吸収し、きれいな空気を作りながら成長しています。
その森を守るためには、正しい間伐や伐採により、新しい若木を育てる必要があります。なぜなら古くなった木々よりも新しい若木の方がCO2の吸収力が強く、古い木を残しておくことは、森が荒れてしまうことにも繋がるからです。
昨今、多くの外国産材輸入され、使用されています。そして、それに伴い国産材(天竜材)の使用が減少しています。
私たちが天竜材を使って家を作るということは、地域に住む人の安全と安心を得ることにもつながるのです。